Garmin が近年提供を始めた ヘルスステータス(Health Status) は、日々の体調を確認する従来の指標とは異なり、あなたの体から得られるデータを数週間にわたって分析し、“普段の健康状態(ベースライン)”を把握するための機能です。
今日の調子を見るのではなく、長期的な健康の変化をつかむことができるのが最大の特徴。
「最近疲れやすい」「睡眠の質が落ちた気がする」など、理由が曖昧な不調に気づきやすくなる “あなたの平常値” を理解するコンパスのようなものです。
ヘルスステータスとは?
ヘルスステータスは、以下のような生体データを数週間にわたって収集し、あなたの通常状態を数値化してくれます。
- 睡眠中の心拍と心拍変動(HRV)
- 呼吸数
- 血中酸素濃度(SpO₂)
- 皮膚温度(対応モデルのみ)
- 安静時心拍の推移
- 睡眠の質や深さ
普段の状態を理解したうえで、そこから外れる変化が起きると、Garmin が「何か違うよ」と知らせてくれる仕組みになっています。
重要なのは、今日の体調ではなく“最近の傾向”を捉えることに特化した指標だという点です。

私の使うvivoactive 6では、皮膚温センサーはないため「データなし」と表示されます。皮膚温を計測したい場合は、Venu 4などの最新モデルを検討してみて下さい。
ヘルスステータスが役立つ場面
ヘルスステータスは、以下のような“主観では気づきにくい変化”を見つけるのに向いています。
- 寝ても疲れが取れない日が続いている
- 創作や仕事の集中力が落ちている原因を知りたい
- トレーニングの回復が遅いタイミングを把握したい
- 体調不良の兆候を早めに気づきたい
特に、生活習慣やストレスの影響が積み重なって現れる 長期の変動 に強い指標です。
睡眠中の安静時心拍数、HRV、皮膚温、血中酸素レベルなどの健康指標が、普段の範囲から外れているかを確認できます。これは体にかかるストレスの増加を示す可能性があり、これらの変化は運動量、環境、ストレス、飲酒、病気の可能性などに関連している場合があります(ベータ版機能4)。引用元:Garmin公式サイト
ボディーバッテリーとの違い

Garmin ユーザーがよく迷うのが、ボディーバッテリーとの違いです。
両方とも体調・エネルギーに関わる指標ですが、役割はまったく異なります。
ボディーバッテリーとは
- 今日のエネルギー残量を示す
- 主にストレス・HRV・行動データを使う
- 数時間〜当日の変動を把握する
- その日の活動量調整に最適
ボディーバッテリーは今日の行動判断に、ヘルスステータスは最近の変化把握に向いています。
ヘルスステータスは長期指標
- 数週間かけて“あなたの平常値”を作る
- ベースラインからのズレを検知
- 数週間〜数ヶ月の健康傾向を把握
- 生活習慣や慢性疲労の兆候に気づける
アプローチが異なるため、ボディーバッテリーでは見抜けなかった「隠れ疲労」や「予兆」の可視化 に役立ちます。
ヘルスステータスが低いとどうする?
ヘルスステータスの指標が普段より大きく低下している場合、ただ「休む」だけでなく、原因に応じて行動を調整することが大切です。
以下は代表的なパターンと対策です。
HRVが低い(交感神経が優位)
自律神経が昂ぶって、体が“戦闘モード”から抜け出せていない状態です。
対策:
- 激しいトレーニング(インターバル走など)は控える
- 夜のアルコールを減らす
- 就寝前のスマホ時間をカットする
- 翌日の数値が大きく改善することがあります。
皮膚温が高い
Venu 4などの皮膚温センサーが異常を検知しています。平熱より高い場合、体内で炎症が起きているか、女性の場合はホルモンサイクルの影響が考えられます。
対策:
- 無理をせず睡眠時間を増やすこと。
- 残業・長時間の集中作業は控えるのがおすすめです。
全体的にスコアが低い
1日や2日の休息では戻らない「蓄積疲労」のサインです。
対策:
- 週末に完全休養をつくる
- デジタルデトックスで脳の疲労を軽減
- 湯船にゆっくり浸かるなど、積極的なリカバリーを実施
自分の機種が対応しているか確認する方法
ファームウェア更新によって変わるため、Garmin Connect での表示確認が最も確実です。
2025年12月6日現在、私が使用している vivoactive 6 ではヘルスステータス表示が可能になっています。
確認ポイント:
- Garmin Connect に「ヘルスステータス」が表示されるか
- デバイス・アプリを最新バージョンへ更新
- 3〜4週間、睡眠時の装着を継続
ヘルスステータス活用のコツ
ヘルスステータスをうまく使うポイントは、次のような点が挙げられます。
- 長期的に見る指標だと理解しておく
- 睡眠の装着率を上げる(データの安定性が向上)
- HRV・ストレスと合わせて傾向を見る
- 数値の上下に一喜一憂しない
- 異常値が続く場合は生活習慣の見直しを検討
- 気になる点がある場合は専門家へ相談
※Garmin の指標は医療機器ではなく推定値です。重要な判断は一次情報の確認と専門家への相談を推奨します。
まとめ:ヘルスステータスは“変化に気づく力”をくれる
ヘルスステータスは、あなたの体の“平常”を知ることで、今どんな変化が起きているのかを教えてくれる指標となります。日々の体調管理というより、生活習慣・疲労・ストレスの長期的な変化を理解するためのツールと考えると役立つかと思います。
ボディーバッテリーと組み合わせて活用すれば、「今日どう動くべきか」「最近どんな変化が起きているか」の両面がわかり、Garmin を使った健康管理がより立体的になります。
現在、ベータ版での提供ですが、皮膚温を計測したい場合は、Venu 4 などの最新モデルが対応しています。
【参考サイト・引用元】
・ガーミン 公式サイト:https://www.garmin.co.jp/
・ガーミン公式サイト(US):https://www.garmin.com/en-US/
・Venu 4 操作マニュアル:https://static.garmin.com/pumac/venu4_OM_JA-JP.pdf
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