スマートウォッチの睡眠トラッキング機能は、
睡眠状態をグラフやスコアで確認できる便利な機能です。
搭載されているセンサーは日々進化しており、筆者は精度に満足しています。
今回は、3メーカー(Apple、Google/Fitbit、Garmin)での計測結果を紹介したいと思います。

あくまでも個人的な評価ですが、参考になれば幸いです。
スマートウォッチの睡眠トラッキング機能には多少の誤差はあります。あくまでも目安としてご利用頂く必要があります。
睡眠計測とスコア化の仕組み

私たちは通常、睡眠中には心拍数が低くなり体の動きも少なくなります。
その状態を 光学式心拍計 と 加速度センサー が検知する仕組みです。
基本的に心拍数、心拍変動、呼吸数、寝返りの回数、睡眠時間などの要素を元に分析されます。
- 心拍数
- 心拍変動
- 呼吸数
- 寝返りの回数(体の動き)
- 睡眠時間
睡眠スコアは Appleにはありませんが、メーカー独自のアルゴリズムに基づき評価されます。

睡眠スコアはあくまでも目安です。実際の体調や傾向を鑑みて判断するようにして下さい。
睡眠指標項目(3機種比較表)
Appleをはじめ、Google(Fitbit )や Garminでも覚醒、レム睡眠やノンレム睡眠(浅い、深い)の状態を可視化してくれるので、睡眠分析に役立てることができます。
ステージ | ![]() Apple Watch 10 | ![]() Pixel Watch 3 | ![]() Garmin vivoactive 6 |
---|---|---|---|
覚醒 | あり | あり | あり |
レム睡眠 | あり | あり | あり |
ノンレム睡眠 (浅い) | あり | あり | あり |
ノンレム睡眠 (深い) | あり | あり | あり |
睡眠スコア | ー | 〇 | 〇 |
睡眠時間 | 〇 | 〇 | 〇 |
睡眠ステージ | 〇 | 〇 | 〇 |
心拍数 | 〇 | 〇 | 〇 |
呼吸数 | 〇 | 〇 | 〇 |
血中酸素濃度 | 〇 | 〇 | 〇 |
睡眠時無呼吸 検知機能 | 〇 | ー | ー |
Appleは、watchOS9以降に睡眠アプリが大幅に進化を遂げています。スコア表示はありませんが、睡眠時無呼吸の検知機能が可能となりました。(但し、一部のモデルのみ)
AppleWatchの基本機能としては睡眠ステージごとのグラフや各段階の時間詳細を確認できます。
GoogleのPixel Watch 3には fitbitアプリ が搭載されており、睡眠スコアをはじめ、睡眠ステージや時間などを確認できます。
Garminは、Garmin connectアプリと連携し、fitbitと同じく睡眠スコアや睡眠ステージなどの睡眠指標を確認できます。
筆者が使用しているデバイスでの比較となるため、機種によっては計測できない項目もあります。あらかじめご了承ください。
Apple
睡眠記録は就寝から起床までの推定時間が記録されます。
就寝中の状態は、4つの睡眠ステージに分けて数値やグラフで表示する仕組みです。
- 就寝時刻
- 起床時刻
- 睡眠時間
- 睡眠状態
Apple Watchで計測した場合、iPhoneの「ヘルスケアアプリ」では下記のような画面で表示されます。

Apple Watchの睡眠アプリでは睡眠ステージを確認したり、iPhoneのヘルスケアアプリ睡眠時間の詳細情報や、心拍数や呼吸数などの指標も比較チャートで確認することができます。

Google(Fitbit)

Google Fitbitでは睡眠スコアの評価は大きく4つ「非常によい」「良い」「やや低い」「低い」に分けられています。
- 非常に良い:90~100点
- 良い:80~89点
- やや低い:60~79点
- 低い:60点以下
Google Fitbitの公式サイトによると睡眠スコアの目安は、平均が77点、理想は80点以上となっています。


平均以上の点数を取りたいところです!
Garmin

ガーミンの睡眠スコアは、「睡眠時間、睡眠の質、および心拍変動データから得られた自律神経系で発生する回復活動の証拠などの複合的な要素に基づいて計算される」とあります。
スコアの評価には下記の項目が反映されています。
- 睡眠時間
- 睡眠中の平均ストレススコア
- 深い睡眠時間の合計
- 浅い睡眠時間の合計
- レム睡眠時間の合計
- 覚醒時間の合計
- 睡眠の安定性
睡眠スコアにおいて深い眠りが少ない場合、疲れが取れず回復も十分にできないので、できるだけ睡眠習慣を見直すようにしましょう。

睡眠サイクルとステージ(解説図)

睡眠にはレム睡眠とノンレム睡眠があり、ノンレム睡眠には「深い睡眠」と「浅い睡眠」があります。
基本的に覚醒(かくせい)を含めて、大きく4つのステージで表示される仕組みです。
- 覚醒
- レム睡眠
- 浅いノンレム睡眠 *
- 深いノンレム睡眠
*Apple Watchでは浅いノンレム睡眠は「コア睡眠」と表記されています。
通常、睡眠初期は深い睡眠期が多く、後半になると浅い睡眠期とレム睡眠期が増えていきます。
ノンレム睡眠では脳を休ませるだけでなく、体温や血圧、脈拍、呼吸数など連動して全身を休息させる大切な時間です。
●参考:Fitbit 睡眠段階については何を知っておくべきですか?
性能の評価について(筆者の感想)

計測については一度に3つのデバイスを腕につけて寝るのは難しいので、意識や記憶のある覚醒を軸に別々に検証してみました。
基本的には就寝から起床までの時間と夜間の行動(トイレの時間)を目安に記録し、翌朝に記録を確認しても、その時間帯をしっかりと捉えているのには感心させられています。
バンドが緩んでいた時などは測定できない時もありますが、個人的な視点から分析してみると、多少の誤差はあるものの目安としては十分に満足できるレベルだと思います。
精度についてはデバイスにもよるかと思いますが、各社ともに安定した精度を持ち合わせていると言えるのではないでしょうか。
ぜひ、睡眠トラッキング機能を体感してみて下さい。
【参考サイト・引用元】
・Apple 公式サイト https://www.apple.com/jp/
・Fitbit 公式サイト https://www.fitbit.com/global/jp/home
・Garmin 公式サイト https://www.garmin.co.jp/
・Garmin ヘルスサイエンス https://www.garmin.co.jp/minisite/garmin-technology/health-science/
・Garmin のスマートウォッチで自分の睡眠を知ろう! https://www.garmin.co.jp/minisite/health/sleep/
【参考文献・引用元】
・西野精治(著)スタンフォード式 最高の睡眠 サンマーク出版
・内田直(著)安眠の科学 日刊工業新聞社
・西野精治(監修)図解眠れなくなるほど面白い睡眠の話 日本文芸社
・宮崎総一郎、林光緒(編著)改訂版 睡眠と健康 放送大学教育振興会
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