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Fitbit PremiumとAI(Google Gemini)連携で進化!期待と予想 2026 編

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2025年11月現在、私たちはスマートウォッチにAIが搭載されるという時代に立っています。

Pixel Watch(Wear OS)でGoogleの最先端AI「Gemini」が利用可能になり、手首に向かって「OK Google, 今日のニュースを要約して」と話しかければ、AIがその内容をまとめてくれるようになりました。

しかし、これはまだ「序章」の段階です。

米国ではFitbit Premiumユーザー向けに、Geminiを搭載した「パーソナルヘルスコーチ」のプレビューが始まりました。

Pixel Watchユーザーの期待と予想を、これまでのGoogleの発表や戦略を踏まえ、実現可能性の高い未来を予想してみました。

Pixel Watch(Gemini)との対話

現状:2025年11月7日現在

現在の最大の課題は、AIとの「対話」が続かないことです。

  • Pixel Watch 3 (2024年モデル)
    私が試したところ、一度Geminiが回答を終えると会話が途切れ、次の指示には再度起動させる必要があります。
  • Pixel Watch 4 (2025年モデル)
    新モデルでは「手をあげて話す (Raise to talk)」機能が搭載され、手首を上げて話しかけるだけでGeminiが起動するため、最初の「OK Google」は不要になりました。しかし、AIが「文脈」を引き継ぐことはまだできず、連続した会話(例:「牛乳をメモして」→「玉ねぎも追加で」)は依然としてできません。

1年後、AIの進化(おそらくクラウド側とGemini Nanoの連携)により、ハードウェア(Pixel Watch 4)が解決した「呼びかけ」の問題だけでなく、AIが文脈の引き継ぎの問題を解決すると予想します。

これにより、Pixel WatchでGeminiを再起動することなく、AIと数往復の会話体験が始まると予想します。

将来:2026年以降

  • 買い物のメモ(Pixel Watch 4以降で)
    (手をあげて話す)「OK Google, 牛乳をメモして」
    (Geminiが完了。ウォッチはユーザーの次の言葉を数秒待機する)
    「あ、玉ねぎも追加で」
    (Geminiが文脈を引き継ぎ、追加)
    「あ、やっぱり牛乳は豆乳に変えて」
    (Geminiが修正)
  • 健康データの確認
    (手をあげて話す)「今日の歩数は?」
    (Geminiが回答)
    「平均と比べてどう?」
    (Geminiが「歩数の平均」と文脈を理解し、Fitbitデータのベンチマークと比較)

「終わり」「おしまい」などの声掛けで完了するかもしれません。

Fitbit PremiumがAIコーチとして本格進化

Pixel Watch / Fitbitユーザーが最も期待しているのが、有料サービス「Fitbit Premium」とAIの融合だと思います。

Googleは2025年10月末、米国でGeminiベースの「パーソナルヘルスコーチ」のプレビューを開始しました。2026年、この機能が日本にも本格上陸し、Premiumでの体験が根底から変わると予想できます。

まず、現在のPremiumの主な機能をおさらいし、それが2026年にGeminiでどう進化するかを対比させながら見ていきたい思います。

Fitbit Premium(2025年11月7日時点)

現在のPremiumは、ユーザーに詳細なデータを提示し、自ら学ぶためのコンテンツを提供するのが主な役割です。

  1. 高度なスコア表示:「睡眠スコア」「ストレスマネジメントスコア」そして最も重要な「レディネススコア(今日の準備状態)」が詳細なグラフや内訳と共に表示されます。
  2. 健康レポート:過去の健康データをまとめたレポート(PDF)がダウンロードできます。
  3. ガイド付きプログラム:「睡眠改善プログラム」や「エクササイズ動画」など、あらかじめ用意されたコンテンツライブラリが利用できます。
  4. (米国限定)AIコーチ(プレビュー版):Geminiが、表示されたスコアの意味を解説し、一般的なアドバイスをくれる段階です。

Fitbit Premiumはこう進化する

2026年、Geminiの本格導入により、Premiumはデータ提示型からパーソナルコーチ型へと劇的に進化していくと思われます。

以下は、あくまでも筆者の期待と推測です。あらかじめご了承ください。

①動的なパーソナルプランナーへ

  • (現状)「あなたの睡眠スコアは低いですね。原因は〇〇です」とAIが解説してくれるだけ。改善行動はユーザー任せです。
  • (未来の姿)AIが「あなたの睡眠スコアが3日連続で低いです。Fitbitのデータを見ると、原因は入眠時間のバラつきと深い睡眠の不足です。今夜から3日間、この入眠時間(23:15)を目指す『睡眠改善集中プラン』を自動作成しますが、実行しますか?」と、AIがユーザー個人のデータに基づき、動的にプランを自動生成してきます。

②能動的なコーチングへ

  • (現状)ユーザーが「今日の調子はどうかな?」と、能動的にFitbitアプリを開いてスコアを見に行く必要があります。
  • (未来の姿)「おはようございます。今朝の準備スコアは55です。睡眠不足が影響していますね。午後に予定されているハードなトレーニングは、軽いジョギングに変更することを推奨します。カレンダーの予定を変更しますか?」と、AIがユーザーの体調とスケジュールを理解し、能動的に(先回りして)調整を提案してきます。
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ベンチマークによる動機付け

  • (現状)一部のデータで、同年代ユーザーとの簡単な比較(ベンチマーク)ができます。
  • (未来の姿)「おめでとうございます! あなたの『有酸素運動スコア(VO2 Max)』が、同年代・同性の国内Premiumユーザーの上位15%に入りました。次は上位10%を目指し、このインターバルトレーニングのメニューに挑戦しませんか?」具体的な目標と報酬を提示し、ユーザーの頑張りを引き出してくれます。
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Fitbitアプリ(無料版)はAIアシスタントへ

Fitbit Premium(有料版)がAIコーチとして進化する一方で、無料版ユーザーでも使える機能は確保されるでしょう。Premiumが専属のパーソナルトレーナーだとしたら、無料版はAIアシスタントとして賢くなると予想します。

現状:2025年11月7日現在

無料版のFitbitアプリは、主に「データのダッシュボード(一覧表示)」です。歩数、睡眠時間(深い/浅い)、心拍数などの生データをユーザーが自分で見て、自分で解釈する必要があります。

Geminiの「要約能力」と「ベンチマーク(匿名データ)比較」機能が、限定的に無料版にも解放されると予想します。

将来:2026年以降

  • (具体例1)AIによる「今週のハイライト」
    Fitbitアプリを開くと、ダッシュボードの最上部にGeminiによる「今週のまとめ」がカード形式で表示されます。

    Geminiより: 今週もお疲れ様でした! 睡眠時間は先週より平均30分長くなり、目標を達成できましたね。一方で、週間歩数は20%減少しています。週末に20分のウォーキングはいかがですか?」

    このように、Premiumのような動的なプラン作成はなくても、AIがデータを要約し小さな提案をしてくれるようになるかもしれません。
  • (具体例2)AIによる「ベンチマーク比較」
    Googleが持つ膨大な匿名データを活用し、ユーザーのモチベーションを高める比較が無料版でも表示されます。

    「おめでとうございます! あなたの週間歩数は、お住まいの地域(例:●●県)の同年代ユーザー(匿名データ)と比較して、上位30%に入っています!
    …これならプライバシーに配慮しつつ、AIがユーザーを励ますことができます。
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プライバシーはどうなるのか?

「AIが個人の健康データをすべて収集するの?」これはちょっと心配かもしれません。

GoogleがFitbitのAI連携を慎重に進めている最大の理由です。

Geminiの処理(特にAIコーチ)は、匿名化されているとはいえ、主にGoogleのクラウド(サーバー)で行われています。

このプライバシー問題を解決するため、Googleが開発したGemini Nano(オンデバイスAI)の活用が本格化すると予想します。

2026年、Pixel Watch(次世代機)やPixelスマホは、より高性能なGemini Nanoを搭載。

「今日の天気は?」といった一般的な質問はクラウドで処理し、「あなたの昨日の睡眠データ」「あなたのストレスレベル」といった最も機密性の高い健康データは、クラウドに一切送信せず、デバイスの中だけでAIが処理するハイブリッド方式が主流になっていくでしょう。

私が使用しているpixel 8aも対応機種のようです。

愛用しているPixel Watch3とpixel8aの写真(撮影:おかきソムリエ)

まとめ:FitbitアプリはAI健康パートナーへ

2026年、Fitbitアプリを搭載したスマートウォッチは、単なる歩数計や通知デバイスではなくなり、寄り添うウェルネスウォッチになっていくでしょう。

連続会話の壁やプライバシーといった課題を乗り越え、Geminiとの完全融合を果たしたPixel Watchは、私たちの健康状態を理解し、先読みしてアドバイスをくれる「AI×スマートウォッチ」へと本格的に進化を遂げていて欲しいものです。

2026年、それは私たちがデバイスに「命令」するのではなく、デバイスが私たちをコーチングしてくれる時代の幕開けとなるでしょう。

Pixel Watchの進化も楽しみです。

Pixel Watchに話かけてGeminiを起動させている女性のイメージ画像(作成者:おかきソムリエ) Pixel WatchのGeminiでできること|使い方と設定方法解説(2025年11月6日時点)編

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