脂肪燃焼ゾーンは「ファットバーンゾーン」とも呼ばれ、
運動によって体脂肪が効率的に利用される領域と言われています。
アクティブな心拍ゾーン(脂肪燃焼、有酸素運動、ピーク)の違いを交えて
今回は目標心拍数と運動強度を参考にして解説図にまとめてみました。

目標心拍数を知ることが大切です!
目標心拍数を算出する計算式も紹介していますので参考にして下さい。
体脂肪を減らしたい方は、自分に最適な脂肪燃焼ゾーンで運動すると効果的です。
※計測機種:Fitbit Charge 5、Sense 2
Fitbitアプリの心拍数と心拍変動|計測結果の見方と目安|レビュー 編
脂肪燃焼の仕組み

運動によってエネルギー消費量が増えて、だんだんと心臓の鼓動も速くなり血流がよくなります。
これらの過程で体脂肪がエネルギーとして使われ、燃焼される仕組みが有酸素性エネルギー代謝。
有酸素系エネルギー代謝が主体となる運動が有酸素運動(ゆうさんそうんどう)です。
- 瞬発的な運動(無酸素運動)
無酸素系エネルギー代謝が主体 - 持続的な運動(有酸素運動)
有酸素系エネルギー代謝が主体
運動の種類や強度、時間などによって使われるエネルギー消費量は異なり、
強度によってエネルギー源の比率が変わるため脂肪燃焼ゾーンの目標心拍数も各々違ってくることになります。
Fitbitにおける有酸素運動と脂肪燃焼の違いは、心拍数予備力における運動強度の割合に基づいています。

その違いを図で見てみましょう!
心拍数と脂肪燃焼ゾーン・有酸素運動ゾーン

気になる脂肪燃焼ゾーンと心拍数・運動強度の関係をわかりやすいように図を作成してみました。
計算式などは下記の通りです。
目標心拍数の計算式
① 最大心拍数 = 220 − 年齢(歳)
②(最大心拍数-安静時心拍数)× 運動強度(%)+安静時心拍数
▶️ 30歳:男性 安静時の心拍数 60 運動強度 50%の場合
① 220 − 30 =190
②(190-60)× 0.5(%)+60 =125
心拍数予備力(心拍予備量)
Fitbitでは心拍数予備力に基づいて脂肪燃焼ゾーンと有酸素運動ゾーン、ピークゾーンが算出されます。
心拍数予備力とは、上図のように最大心拍数と安静時心拍数の間を意味します。
ゾーン (領域) | 運動強度 | 内容 |
---|---|---|
脂肪燃焼 | 心拍数予備力 40〜59%に 相当する心拍数 | 脂肪燃焼ゾーンでは、早歩きなどの適度な運動状態。 心拍数と呼吸が上昇しているが会話を続けられるような状態。 |
有酸素運動 | 心拍数予備力 60〜84%に 相当する心拍数 | 有酸素運動ゾーンは、ランニングやエアロバイクなどの 激しい運動をしている状態。 |
ピーク | 心拍数予備力 85%以上に 相当する心拍数 | ピークゾーンでは、スプリントや 高強度インターバルトレーニングなどの パフォーマンスやスピードを向上させる 短時間で激しい活動状態。 |
Fitbitにおける有酸素運動と脂肪燃焼の違いは、心拍数予備力における運動強度(%)の割合に基づいていることが、図や解説内容からもわかります。

運動後は、下記のFitbitアプリの画面で各ゾーンの時間や割合を確認することができます。
約20分のウォーキングで脂肪燃焼ゾーンに10分、有酸素運動ゾーンに4分費やしたことがわかります。


自分に合った強度での運動が効果的!
Fitbitアプリの心拍数と心拍変動|計測結果の見方と目安|レビュー 編
目標心拍数の計算式

有酸素運動で効率よく脂肪を燃やすための指標として用いられるのが「目標心拍数」です。
参考までに【有酸素運動の目標心拍数】を求めるカルボーネン法(Karvonen法)の計算式を載せておきます。
●目標心拍数の計算式
① 最大心拍数 = 220 − 年齢(歳)
②(最大心拍数-安静時心拍数)× 運動強度(%)+安静時心拍数
有酸素運動の領域には個人差ありますが、心拍計測機能のあるスマートウォッチは最大心拍数や安静時心拍数から最適な領域を導き出してくれます。
30歳の人を例にすると
30歳で運動強度を50%、安静時心拍数が60とすると、目標心拍数は「 125 」と導き出されます。
① 最大心拍数:220 – 30 = 190
②(190 – 60)× 0.5 + 60 = 125
40歳の人を例にすると
40歳で運動強度を50%、安静時心拍数が55とすると、目標心拍数は「 118 」と導き出されます。
① 最大心拍数:220 – 40 = 180
②(180 – 55)× 0.5 + 55 = 117.5
(四捨五入で118)
50歳の人を例にすると
50歳で運動強度を50%、安静時心拍数が50とすると、目標心拍数は「 110 」と導き出されます。
① 最大心拍数:220 – 50 = 170
②(170 – 50)× 0.5 + 50 = 110
安静時の心拍数には個人差がありますので、この機会に自分の目標心拍数を計算してみてください。
年齢別目標心拍数のまとめ
30歳 | 40歳 | 50歳 | |
---|---|---|---|
目標の 運動強度 | 50% | 50% | 50% |
安静時の 心拍数 | 60 | 55 | 50 |
目標心拍数 | 125 | 118 | 110 |
運動強度の目安

先ほどは運動強度を50%で計算しましたが、体力によって最適な強度は異なります。
運動強度 | 体力 | 感度 |
---|---|---|
70% | より高い人 | きつい |
60% | 高い人 | ややきつい |
50% | 普通の人 | 普通 |
40% | 低い人 | 楽である |
30% | より低い人 | とても楽 |
きつさの感じ方も個人差があるため、自分に合った運動強度で行いましょう。
なお、健康維持には50%前後の運動強度が最適とされています。

次は実際の表示画面を見てみましょう!
Fitbitアプリで脂肪燃焼ゾーンを確認

私の脂肪燃焼ゾーンはアプリでも確認できるように、102〜125の範囲であることがわかります。(黄色の線)
この時の約20分のウォーキングでは平均の心拍数が121bpmと結果が出ています。
また、消費したカロリーは163kcal。
この程度の運動が、私には無理なく続けられる最適な領域かもしれません。
項目 | 数値 |
---|---|
時 間 | 20分31秒 |
距 離 | 1.24km |
ペース | 16.35″ |
平均心拍数 | 121bpm |
ゾーン時間 | 18min |
消費カロリー | 163kcal |
脂肪燃焼に効果的な心拍ゾーンを把握しておくと量より質が向上するため、ダイエットが上手にできるようになります。
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運動強度について

運動強度については、心拍数から求める方法以外にも自覚的運動強度(ボルグスケール)やMETs(メッツ)から求める方法があります。
- 心拍数から求める方法
- 自覚的運動強度から求める方法
- METsから求める方法
スマートウォッチでは基本的に心拍数に基づいたデータを考慮して考えられています。
Fitbitのデバイスでは、あらかじめ設定した個々の数値に合わせてパーソナライズしてくれるので面倒な計算も不要。
自分の適正な領域を知ることで無理のないダイエットにも繋がります。
スマートウォッチの消費カロリー測定精度|METs(メッツ)を使った計算値と比較検証 編
アクティブな心拍ゾーンと推奨時間

Fitbitの「アクティブな心拍ゾーン」とは、身体活動によって脂肪燃焼や有酸素運動などで行われる心拍数の範囲を意味します。
アクティブな心拍ゾーンの目標は、アメリカ心臓協会により毎週150分が推奨されています。
1日換算で21~22分程度が、理想のゾーン時間となります。
1週間で150分となると、やはり毎日の小さな積み重ねが大切となってきます。
先述の通り、年齢や安静時心拍数、運動強度などによって個人差があるため、
自分に合った目標で設定を行いながら、心拍数をチェックしながらフィットネスの時間を確保しましょう!
最初の目標は、毎週 150 分のアクティブな心拍ゾーンを獲得することです。アメリカ心臓協会は、毎週 150 分以上の中程度の運動、または 75 分以上の激しい運動、あるいはそれらを組み合わせて行うことを推奨しています。毎日、平均 22 分のアクティブな心拍ゾーンを獲得すれば、この推奨値を達成できますが、必要に応じて目標を変えることもできます。
出典:Fitbit公式サイト
・Fitbit Charge 4
・Fitbit Charge 5
・Fitbit Inspire 2
・Fitbit Inspire 3
・Fitbit Ionic
・Fitbit Luxe
・Fitbit Senseシリーズ
・Fitbit Versa シリーズ
・Google Pixel Watch
※2023年5月14日調べ
●参考:Fitbit デバイスでの、アクティブ・ゾーン時間(分)またはアクティブな時間(分)とは何ですか?
さいごに

歩いているとファットバーンゾーンに入ったことをデバイスの画面と振動で通知してくれます。
ファットバーンゾーンをチェックしながら運動を行うと効果的に脂肪を燃焼させることが出来ます。
なお、最適な運動強度には個人差があるため、あくまでも目安となります。
無理のない範囲で継続して有酸素運動を行うことがダイエットの秘訣かもしれません。
\ Fitbit charge 5 /
【参考文献】
・新版図解 スポーツトレーニングの基礎理論 横浜市スポーツ医科学センター(編)西東社
・麻美直美、川中健太郎(編)運動生理学 羊土社
・寺田新(著)スポーツ栄養学 東京大学出版会
【参考サイト】
・身体活動とエネルギー代謝 e-ヘルスネット(厚生労働省)
・エネルギー代謝の仕組み e-ヘルスネット(厚生労働省)
・Fitbit 公式サイト https://www.fitbit.com/global/jp/home
・keisanサービス カシオ計算機株式会社 https://keisan.casio.jp/
◎健康のための運動に取り組む際は、かかりつけ医師の相談もとで取り組んで下さい。
※写真やイラストはイメージです。