スマートウォッチやスマートバンドの睡眠トラッキング機能は、
眠りの状態(睡眠ステージ)をグラフやスコアで確認できるヘルスケアに役立つ機能です。
普段、腕につけていると「計測精度は高いの?」と時々聞かれることがあります。
そこで今回は、筆者のおすすめ3大メーカー(Apple Watch、Fitbit、Garmin)での計測結果を紹介したいと思います。
どのメーカーも精度が高いのでおすすめです!
検証では、記憶がある覚醒時を中心に計測結果のグラフ画面で比較検証してみました。
あくまでも個人的な評価ですが、参考になれば幸いです。
高性能睡眠トラッカーおすすめモデル対決!Fitbit vs Garmin 2024 編
主な睡眠記録(Apple Watch)
睡眠記録は、就寝から起床までの推定時間が記録されます。
就寝中の状態については、4つの睡眠ステージに分けて数値やグラフで表示。
主な計測項目は下記の通りです。
- 就寝時刻
- 起床時刻
- 睡眠時間
- 睡眠状態
ヘルスケアAppの画面
Apple Watch(watch OS9)で計測した場合、iPhoneの「ヘルスケアApp」では下記のような画面。
グラフで睡眠状態の変化を表し、睡眠ステージではそれぞれの時間を確認できます。
コア睡眠が中心的なステージとなります。
Apple Watchのコア睡眠とは?理想の睡眠ステージを解説!睡眠分析 2024 編
●参考:Apple Watchで睡眠を記録する:Apple公式サイト
\ Apple Watch 9 /
睡眠計測とスコア化の仕組み
私たちは通常、睡眠中には心拍数が低くなり体の動きも少なくなります。
その状態を 光学式心拍計 と 加速度センサー が検知する仕組みです。
基本的に心拍数、心拍変動、呼吸数、寝返りの回数、睡眠時間などの要素から分析。
- 心拍数
- 心拍変動
- 呼吸数
- 寝返りの回数(体の動き)
- 睡眠時間
睡眠スコアは Apple Watchにはありませんが、メーカー独自のアルゴリズムに基づき評価されます。
睡眠スコアは80点以上を目指したいところです!
Fitbitの睡眠トラッキング機能は高精度!睡眠スコアの目標は平均80点以上!睡眠グラフ比較 編
各社の表示項目(比較表)
Apple Watchをはじめ、Fitbit や Garminでも覚醒、レム睡眠やノンレム睡眠(浅い、深い)の状態を可視化してくれるので、睡眠分析に役立てることができます。
ステージ | Apple Watch | Fitbit | Garmin |
---|---|---|---|
覚醒 | あり | あり | あり |
レム睡眠 | あり | あり | あり |
ノンレム睡眠 (浅い) | あり | あり | あり |
ノンレム睡眠 (深い) | あり | あり | あり |
睡眠スコア | なし | あり | あり |
watch OS9へのアップデートで、Apple Watchの睡眠アプリは大幅に進化を遂げましたがスコア表示はありません。
Apple社はスコアを重視していないとの見方もありますが、いつかは指標として導入される可能性もなきにしもあらずです。
Apple Watchのコア睡眠とは?理想の睡眠ステージを解説!睡眠分析 2024 編
Fitbit アプリのスコア表示画面
睡眠スコアの評価
Fitbitでは睡眠スコアの評価は大きく4つ「非常によい」「良い」「やや低い」「低い」に分けられています。
- 非常に良い:90~100点
- 良い:80~89点
- やや低い:60~79点
- 低い:60点以下
睡眠スコアの目安は、平均が77点、理想は80点以上となっています。
平均以上の点数を取りたいところです!
●参考:Fitbit公式サイト「Fitbit アプリの睡眠スコアとは何ですか?」
Fitbitの睡眠トラッキング機能は高精度!睡眠スコアの目標は平均80点以上!睡眠グラフ比較 編
\ Fitbit Charge 6 /
Fitbit 最新モデル Charge 6と5の違い!おすすめはどっち?スペック・機能比較 2024 編
Garmin アプリのスコア表示画面
ガーミンの睡眠スコアは、「睡眠時間、睡眠の質、および心拍変動データから得られた自律神経系で発生する回復活動の証拠などの複合的な要素に基づいて計算される」とあります。
スコアの評価には下記の項目が反映されています。
- 睡眠時間
- 睡眠中の平均ストレススコア
- 深い睡眠時間の合計
- 浅い睡眠時間の合計
- レム睡眠時間の合計
- 覚醒時間の合計
- 睡眠の安定性
●参考:睡眠スコアとアドバイスの見方
睡眠スコアにおいて深い眠りが少ない場合、疲れが取れず回復も十分にできないので、できるだけ睡眠習慣を見直すようにしましょう。
ガーミンの睡眠スコアと精度!深い睡眠の理想の割合は13%~23% 編
\ Garmin Venu 3 /
ガーミン Venu3 が旧モデル(Venu2)から進化!スペックの違いと機能比較 2024 編
睡眠ステージの役割
- レム睡眠・・・脳の働きが活発な状態
- ノンレム睡眠・・・脳が休んでいる状態
睡眠にはレム睡眠とノンレム睡眠があり、ノンレム睡眠には「深い睡眠」と「浅い睡眠」があります。
基本的に覚醒(かくせい)を含めて、大きく4つのステージで表示されます。
- 覚醒
- レム睡眠
- 浅いノンレム睡眠 *
- 深いノンレム睡眠
*Apple Watchでは浅いノンレム睡眠は「コア睡眠」と表記されています。
睡眠サイクルと睡眠ステージ
通常、睡眠初期は深い睡眠期が多く、後半になると浅い睡眠期とレム睡眠期が多くなります。
ノンレム睡眠では脳を休ませるだけでなく、体温や血圧、脈拍、呼吸数など連動して全身を休息させる大切な期間です。
ここでは、Fitbitの公式サイトを参考にして各ステージの内容を解説します。
覚醒 | 覚醒とは夜中に目が覚めている状態。 夜間のトイレなどが該当します。 |
レム睡眠 | レム睡眠は、前の日の情報を脳で処理・統合し、 それを長期記憶に保存するため、気分の調整、 学習、記憶に重要な役割を果たすことがわかっています。 |
浅い ノンレム睡眠 | 浅い睡眠は心身の回復を促します。 |
深い ノンレム睡眠 | 深い睡眠は、身体的な回復と記憶と学習の側面を促進します。 この段階は、免疫システムの働きもサポートします。 |
●参考:Fitbit 睡眠段階については何を知っておくべきですか?
理想の睡眠ステージを目指しましょう!
精度と評価について
精度については一度に3つのデバイスを腕につけて寝るのは難しいので、意識や記憶のある覚醒を軸に別々に検証してみました。
基本的には、就寝から起床までの時間や夜間の行動(トイレの時間)を体感とも照らし合わせてチェック。
各データを個人的な視点から分析してみると、各社に大きな誤差はなく正確に計測されていると感じます。
装着の不具合や寝相の悪さによっては上手に測定できない時もありますが、各社の 精度の高さには満足 しています。
つくづく3大メーカーの性能の高さには感心させられます。
検証画面の比較(Apple Watch・Fitbit・Garmin)
夜中に目覚めた時間帯は覚醒(赤い部分)が長く(太く)なっているのがわかります。
Fitbitなら下記画面のようなグラフで表示され、Apple Watchに近いグラフ表示です。
ガーミンのアプリでは下記画面のように棒グラフのような表示。
どの機種も睡眠の状態をしっかり捉えてくれています。
ひとこと
睡眠トラッキング機能だけに焦点を当てて比べてみると、精度はどれも高いと感じています。
メーカーによって画面の表示方法が異なるので、使いやすさや相性も選択肢になるかと思います。
初心者の方には『 Fitbit (フィットビット)』をおすすめしています。
個人的な感想ですが、Fitbitの計測精度の高さは、睡眠アプリにおいては一歩抜け出ている印象があります。
Fitbit Premium(有料プラン)に申し込むと、睡眠プロフィール(スリープアニマル)で、より詳細な特徴と傾向を知ることも可能です。
ぜひ、ご自身の眠りの状態をスマートウォッチでチェックしてみて下さい。
アプリとの相性もあると思いますので好みで選ぶと良いと思います。
Fitbit Premiumでは何ができる?無料と有料で使える機能の違い 編
\Fitbit Sense 2/
▼参考サイト
・Apple 公式サイト https://www.apple.com/jp/
・Fitbit 公式サイト https://www.fitbit.com/global/jp/home
・Garmin 公式サイト https://www.garmin.co.jp/
・Garmin ヘルスサイエンス https://www.garmin.co.jp/minisite/garmin-technology/health-science/
・Garmin のスマートウォッチで自分の睡眠を知ろう! https://www.garmin.co.jp/minisite/health/sleep/
▼参考文献
・西野精治(著)スタンフォード式 最高の睡眠 サンマーク出版
・内田直(著)安眠の科学 日刊工業新聞社
・西野精治(監修)図解眠れなくなるほど面白い睡眠の話 日本文芸社
・宮崎総一郎、林光緒(編著)改訂版 睡眠と健康 放送大学教育振興会
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