GPS機能を搭載したスマートウォッチは、アスリートやアウトドア愛好家にとって、自身の活動を定量的に把握するための重要なツールです。
しかし、その性能は製品によって大きく異なり、特に「GPSの測位精度」と「バッテリーの持続時間」は重要な評価指標となります。
そこで今回は、数あるGPSスマートウォッチの中から、上記2つの性能指標において特に優れたモデルを厳選しました。
GPSの仕組みも説明しつつ、筆者が特に推奨する Garmin(ガーミン) のおすすめモデルを厳選しました。
- Garmin fēnix 8 Dual Power
あらゆる機能を最高水準で搭載したソーラー充電対応のフラッグシップモデル - Garmin Instinct 3 Dual Power
無制限のバッテリーと究極のタフネスを誇るアウトドアモデル - Garmin Instinct 2X Dual Power
過酷な環境下での利用を想定した、究極の耐久性とバッテリー性能を追求

GPS精度はアウトドア派には重要な指標です。
GPS内蔵スマートウォッチでできること

GPS 機能を内蔵したスマートウォッチでできることはいくつかありますが、
主に登山やトレッキングでのナビゲーション機能の利用、ランニングで走った距離や軌跡の確認、
地図上での現在地の把握、家族との位置情報の共有や追跡、緊急通報サービスの際の居場所の送信などが挙げられます。
- 登山などでのナビゲーション機能
- ランニングなどの距離や軌跡の確認
- 地図上での現在地の把握
- 家族との位置情報の共有(追跡を含む)
- 緊急通報サービスでの居場所特定

位置情報をはじめ、計測機能を使うためにもGPSが必要であることがわかります。
GPS機能の仕組み

GPSとは「Global Positioning System (グローバル ポジショニング システム)」の略で、アメリカが開発した衛星測位システムで、人工衛星を利用した仕組みです。
スマートウォッチやスマートフォンが、人工衛星から発信されている電波を受信して地球上での位置を特定します。
なお、GPSを搭載したガーミンのデバイスで確認できる主な内容は下記の通りです。
- スピード
- 方位
- トラック
- トリップ距離
- 目的地までの距離
- 日の出 / 日没
GNSSとは人工衛星の総称

GPS機能は衛星通信を利用しています。そのため、通信障害となるような高い建物(ビル)や高い山岳地帯では電波を受信しづらい弱点があります。
その弱点を補うために、アメリカ以外の国(ヨーロッパ、ロシア、日本など)の人工衛星の電波も利用する方法をとっています。つまり、通信する衛星の数が多いほど、より高い精度が保てるということです。
複数の人工衛星は総称して「GNSS: Global Navigation Satellite System(グローバル ナビゲーション サテライト システム)」と呼ばれ、日本の人工衛星「みちびき(準天頂衛星システム)」もGNSSのひとつにあたります。
●参考: 衛星測位システムとは 国土交通省
高精度GPSのおすすめモデル

Garmin*は米国カンザス州オレイサに拠点を置く GPS/GNSS 機器メーカーで、アスリート向けのスポーツモデルを中心に展開しています。
※ 登記上の本社はスイス・シャフハウゼン州、開発拠点が米国カンザス州オレイサです。
- Garmin fēnix 8 Dual Power
あらゆる機能を最高水準で搭載したソーラー充電対応のフラッグシップモデル - Garmin Instinct 3 Dual Power
“無制限”のバッテリーと究極のタフネスを誇るアウトドアモデル - Garmin Instinct 2X Dual Power
過酷な環境下での利用を想定した、究極の耐久性とバッテリー性能を追求
GPS精度においては、やはり『GNSSマルチバンド』に対応しているガーミンのスマートウォッチがおすすめです。
GNSSマルチバンドとは、複数の衛星測位システム(GPS、みちびき、GLONASSなど)に対応することで、より安定した測位を可能にする技術です。
Garmin fēnix 8 Dual Power

●参考価格(税込み):198,000円(51mm)、178,000円(47mm)
プロアスリート、本格的な登山家、あるいは自身の活動に関するあらゆるデータを活用し、パフォーマンスを最大化したいと考えるエグゼクティブなど、価格に見合う最高の性能と機能を求めるすべてのユーザーに適しています。

Garmin Instinct 3 Dual Power

●参考価格(税込み):79,800円(50mm)、71,800円(45mm)
長期の縦走登山やサバイバル、ミリタリーといった極限状況での使用はもちろん、日常的にバッテリーの充電を一切気にすることなく、タフに使える時計を求めるユーザーに適しています。

Garmin Instinct 2X Dual Power

●参考価格(税込み):68,200円(50mm)
50mm径の大型ケースがもたらす画面の大きさは、通知やデータの確認における優れた視認性を提供します。長時間のアウトドア活動において、バッテリー消費を気にすることなくアクティブに使いたい方に適しています。

高精度GPSを使うメリット

高精度GPS(デュアル周波数GNSSやGNSSマルチバンド対応)を搭載したスマートウォッチの主なメリットを挙げてみました。
- 測位精度が高く、誤差が小さい
山岳や高層ビル環境でも安定した測位が可能なので、記録データやナビゲーションの信頼性が向上します。 - データ記録が正確
マルチバンド対応により距離計測の誤差が減り、ペース配分や走行軌跡も正確に記録されます。 - 測位の速さと安定性
複数の衛星や周波数を使えることで、GPSの受信感度が上がり位置情報の取得が速く安定しやすい傾向があります。 - 緊急時や位置共有における安心感
自分の居場所を他者と共有したりSOS発信する際にもより正確な位置を伝達できるため、万が一のときの安心感があります。 - ナビゲーション能力向上
高精度GPSを積んだスマートウォッチなら、地図アプリやコンパス機能と組み合わせてスマホ無しでも精度の高いナビゲーションが可能です。
デメリット(バッテリー消費の課題)

高精度GPSモードは、その高い性能と引き換えにバッテリー消費が激しくなる点が課題です。特に長時間の活動では、バッテリー残量が気になるかもしれません。
この問題を解決できるのが、Garmin独自のソーラー充電技術「Dual Power(デュアルパワー)」です。
太陽光で充電し、稼働時間を大幅に延長できるこの機能は、バッテリー問題を根本から解消してくれます。
高精度GPSの恩恵を最大限に受けたいなら、ソーラー充電に対応したDual Powerモデルをおすすめします。

筆者もDual Powerモデルを使用しています。
ガーミン fēnix 7Pro 進化の実力!旧モデル fēnix 7との違い|スペック・機能比較 編
最後に(筆者の感想)

位置情報をデバイス本体で確認したい人にとっては高精度なGPSは無くてはならない機能です。
多くの場合、スマホのGPSで事足りると思いますが、受信精度にも左右され、使える機能にも違いがあります。
高層ビルの多い場所でのランニングや山間部で登山やトレッキングで楽しむなら、高精度なGPSが内蔵されているスマートウォッチを持っている方が安心です。
強いて言えば、GarminのSatIQ(衛星自動選択モード)技術に対応しているfēnix 8とInstinct 3を選ぶとより良いと思います。
ぜひ、利用目的と用途を考えて選択してみて下さい。
GarminのSatIQ(衛星自動選択モード)技術は、環境に応じて最適なGPSモードを自動的に選択するGPS技術です。
SatIQ技術は、高い建物の近くや密林の中などマルチバンドGNSSが必要なケースか、または開けた場所など低消費電力のGPSモードで同じ精度を達成できるケースかを自動で判断し切り替えます。


▼参考サイト
Garmin公式サイト https://www.garmin.co.jp/
Apple公式サイト https://www.apple.com/jp/
国土交通省 国土地理院 https://www.gsi.go.jp/top.html
JAXA 宇宙航空研究開発機構 https://www.jaxa.jp/
FURUNO ELECTRIC CO., LTD. https://www.furuno.com/jp/gnss/technical/tec_what_gps
※メーカーやデバイスによってGPS機能は異なります。
※イラストや写真はイメージです。