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ガーミン HRVステータスのベースラインと平均|身体状態のバランス指標 編

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ガーミンのスマートウォッチに搭載されている「HRVステータス」機能は、心拍変動(HRV)をもとにストレス・回復・疲労のバランスを読み解くための指標です。

数値やグラフで身体状態の変化を見える化し、日々の体調管理やトレーニング調整に役立てられます。

HRVの正常値はパーソナライズされたベースラインで表され平均値も算出されますので、自身の目安として活用してみてください。

ガーミンのHRVステータス

HRVステータスは、睡眠中の心拍変動(HRV)を測定して、ユーザーのパーソナルデータや運動、睡眠、ストレスなどを独自のアルゴリズムで身体状態を総合的に評価してくれる機能です。

公式サイトでメリットは「健康とトレーニングパフォーマンスについてより深く理解することができる。」とあります。

HRVステータスの平均値

HRVステータスの平均値は、計測結果に基づいてパーソナライズされた範囲から算出。

ベースラインの確定後は、自分のHRVの範囲がバランス内かアンバランスなのか確認を行って下さい。

上の画像内にある数値を例にすると、HRVステータスのベースラインは 65~85 ms であるため平均値は75 ms となります。

HRVの目安評価(4段階)

HRVステータスの評価は「バランス」「アンバランス」「低い」「悪い」の4段階で表示されます。

バランス7日間の平均HRVがベースラインの範囲内。
アンバランス7日間の平均HRVがベースラインの範囲を上回っているか、下回っている。
低い7日間の平均HRVがベースラインの範囲を大きく下回っている。
悪い*HRVの値が、年齢の標準範囲を平均的に大きく下回っている。

HRVステータスの4段階評価は、生理的な状態変化を簡潔に示す目安です。ただし、Garminの評価は「傾向分析」に基づいており、日単位ではなく数日〜1週間の平均トレンドを見ることが推奨されています。

バランスの良い日はアクティブに過ごし、アンバランスの場合は体調を鑑みて休養や調整を心がけましょう。

HRV(心拍変動)について

心拍変動(HRV:Heart Rate Variability)は、心拍と心拍の間隔(R-R間隔)の変化幅を数値化した指標です。

このゆらぎは自律神経の働きによって生じ、交感神経が優位なときは短く、副交感神経が優位なときは長くなります。

つまり、「ドクン…ドクン…..ドクン」と心臓が次の脈を打つまでの時間の長さの違いです。

心拍変動(HRV)は心拍のゆらぎ」とも呼ばれています。

ゆらぎの幅(変動幅)が大きいほど、ストレスが少なく心が落ち着いている状態と考えられます。

医学的には、RMSSD値やSDNN値など複数の統計指標で評価されることが多く、GarminはそのうちRMSSDを採用しています(Garmin公式情報より)。

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HRVの値でわかること

心拍変動(HRV)は疲労度だけでなく、睡眠の質やストレスの変化を捉える指標にもなるためコンディションやメンタルを整えることにも役立ちます。

  • HRVが高い
    副交感神経の活動が優位で、リラックスや回復モードにある状態を示唆します。
    ・体力が十分な状態
    ・睡眠がしっかり取れている
    ・気分転換ができている
  • HRVが低い
    交感神経優位で、ストレス反応や疲労蓄積が見られる可能性があります。
    ・体が疲れている?
    ・睡眠不足が考えられる?
    ・ストレスが高い可能性がある?

これらは一般傾向であり、日中の活動や飲酒、カフェイン、気温など一時的な要因でもHRVは変動します。

なお、トレーニング直後や発熱時など一時的にHRVが低下しても、必ずしも不調とは限りません。変化の持続期間を見るのがポイントとされています。

●参考:UNDERSTANDING HRV STATUS ON YOUR GARMIN DEVICE

データの収集条件

HRVの値は、性別や年齢、身体活動レベルなどの様々な要素によって異なり、値には個人差があり、データを集めるためには、ある程度の期間(3週間)は装着して就寝することが必要です。

  • データを収集(3週間の装着)
  • ベースラインの確定と平均
  • 平均との高低で身体状態を判断

Garminのベースラインは、3週間以上の睡眠中データを解析して自動的に算出される個人基準値です。これは他人との比較ではなく「自分自身の平均的な変動幅」として扱われます。

したがって、一時的にHRVが低下しても、それが「悪い」とは限りません。重要なのは、自分のベースラインからのズレが継続しているかどうかを観察することが大切です。

実際の計測HRVデータ(例:本人)

GarminでHRV計測中の画面(本人のスクリーンショット)
計測中の画面
GarminのHRV結果画面(本人のスクリーンショット)
計測結果の画面

HRVのデータを得るには、一定期間の装着が必要です。

上の画面は実際のスクリーンショットで、筆者が「計測中の画面」と「計測が行われた実際の結果画面」です。

筆者の場合、この時の7日間ベースラインが 43 ~ 51 msで、平均が44 msという評価でした。

GarminConnectでの画面(本人のスクリーンショット)
本人データ

良いバランスをキープできるように心がけています。

HRVの単位と計測方法

心拍変動の解説図(本人作成)

HRV(Heart Rate Variability)の単位は「ms(ミリ秒)」で表示されます。

計測方法にはHRVの標準的な統計指標である RMSSD(Root Mean Square Successive Difference)が採用されています。

RMSSDとは、通常の心拍の隣り合ったR-R間隔の差の二乗平均平方根となります。

難しいことはさておき

一般的なフィットネスレベルの目安となり、回復の程度とトレーニングに向けた体調判断の参考にすることができます。

●参考:GarminデバイスのHRVステータスとは何ですか?

HRVステータスで体調に気づきを

日々の生活のなかで、身体的なストレスや体調は常に変化しています。

ストレスと関係の深い自律神経系の働きを知る術になる指標の一つが心拍変動(HRV)。

GarminのHRVステータスは、単なる数字ではなく「自分のリズムを見つけるツール」です。

数値の上下だけでなく、生活リズムやストレス変化との関係を観察することで、より深く自分の身体を理解できます。

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【参考書籍】
・栄養科学イラストレイテッド運動生理学 麻美直美・川中健太郎(編) 羊土社
・第6版 補訂 基礎運動学 中村隆一・齋藤宏・長崎宏(著)医歯薬出版株式会社

【参考サイト】
・Garmin 公式サイト(ヘルスサイエンス)
 https://www.garmin.co.jp/minisite/garmin-technology/health-science/
・Garmin Elevate 光学式心拍計 https://www.garmin.co.jp/minisite/garmin-technology/wearable-science/heart-rate/
・持久性アスリートおよび球技系アスリートにおける起床時の心拍変動を用いたコンディショニング
 責任著者:髙山史徳 https://sports-performance.jp/paper/2044/2044.pdf
・Estimation of Stress During Car Race with Factor Analysis

 The University of Tokyo http://www.robot.t.u-tokyo.ac.jp/~yamashita/paper/E/E276Final.pdf

※記事内容は都合により変更になる場合がございます。
※写真やイラストはイメージです。