前回の記事「スマートウォッチのストレスチェック!3メーカーの機能と仕組みを比較 編」では、主要メーカーごとのアプローチの違いについて解説しました。
その中で、私が自分のエネルギー管理において頭ひとつ抜けていると感じているのがGarmin(ガーミン)です。
今回は、Garminが持つ機能のBody Battery(ボディバッテリー)と、それに関連するストレスレベルの仕組みについて深掘りします。
まるでRPGゲームのように自分の体力が数値化される体験は、一度味わうと手放せなくなります。

リアルタイムで見えるストレスレベルの正体

Garminのウォッチフェイス(画面)には、今のストレス状態を0〜100の数値でリアルタイム表示されます。
心拍変動(HRV)をベースに算出されており、画面上のグラフは大きく2色に分かれます。
- 青色(数値が低い): リラックス、休息状態
- オレンジ色(数値が高い): ストレス、緊張状態
Garminはこの数値を“推定値”として提供しています。睡眠、カフェイン、体調、装着状態などでも変動するため、ストレス量を完全に正確に測るものではありません。ただし“自分の傾向をつかむ指標”としては非常に有効です。
体験例
見えない緊張を可視化する
面白いのは、体は動いていないのに数値が高いという現象です。 例えば、デスクに座ってパソコンに向かっているだけでも、マルチタスクの集中時や、苦手な相手との電話中には数値が80〜90に跳ね上がります。
逆に、すごく緊張しているかも…と不安な時に画面を見て、意外と数値が低いと「体は落ち着いているんだな」と安心材料になることもあります。 自分の感覚だけでなく、客観的な数値を見ることで、メンタルを落ち着かせることができるのも大きなメリットです。
ガーミン HRVステータスのベースラインと平均|身体状態のバランス指標 編
最大の武器Body Batteryの仕組み

Garminを使う最大のメリットと言っても過言ではないのが、Body Battery(ボディバッテリー)です。 これは、自分の身体的エネルギーを0〜100の数値(HP:ヒットポイント)のように表したものです。
- 充電(回復): 質の良い睡眠や休息をとると数値が回復します。
- 消費(低下): 活動したり、ストレスを感じると数値が減っていきます。
この機能の凄さは、単に動いたから減るだけではない点にあります。 ここで重要になってくるのが、先ほどのストレスレベルです。
GarminはBody Batteryを“エネルギー推定値”として提供しており、実際の疲労感と必ず一致するわけではありません。とはいえ、日々のコンディション変化を捉えるには非常に優れた仕組みです。
体験例

上記の画像のグラフは、筆者の計測したボディバッテリーの推移をグラフで表したものです。睡眠時に回復して日中に減っていきます。これで、どれだけ回復してHPを消費したかをチェックできるので無理しない体調管理が可能になり助かっています。
ボディバッテリーのレベル評価表
ボディバッテリーの推移についても個人的な経験から補足してあります。参考になれば幸いです。
| 数値 | レベル値 | 推移例 |
|---|---|---|
| 5〜25 | 非常に低い | 深夜 |
| 26〜50 | 低い | 夕方頃 |
| 51〜75 | 中くらい | 昼頃 |
| 76〜100 | 高い | 早朝 |
数値はあくまでも目安ですが、HPとして考えると判断の基準になります。
Garminの公式サイトでは、「高強度な運動は、より早くボディバッテリーを消耗させますが、必ずしも悪いことでもありません。定期的な運動やリカバリーを習慣づけることは、少しずつ身体のスタミナと回復力をつけていくことにもなります。」とアドバイスされています。
ストレスレベルとバッテリー残量の密接な関係

実は、Body Batteryの減り方はストレスレベルとも連動しています。
もし、ストレスレベルが高い(オレンジ色の)状態で1日を過ごすと、激しい運動をしていなくても、ボディバッテリーは驚くほど早く減っていきます。 逆に、リラックスした(青色の)時間を過ごせば、バッテリーの減りは緩やかになり、場合によっては日中でも充電されて回復することもあります。
- ストレス(オレンジ) = 敵から攻撃を受けてHPが削られている状態
- 休息(青) = 宿屋や回復魔法でHPを回復している状態
このようにイメージすると分かりやすいかと思います。
体験例
画面を見て数値が高い(オレンジ色になっている)時、自分の体を観察してみると、無意識に肩に力が入っていたり、歯を食いしばっていたりすることに気づきます。 Garminが力んでるよと教えてくれるので、その瞬間に意識して脱力するようにしています。

つまり、ストレスコーピングにつながるというわけです。
実践!Garminで自分のペースを作る方法
私が実際にGarminを使って行っている、エネルギー管理のルーティンをご紹介します。
1. 朝のチェック:今日の持ち点は?
朝起きたらまずBody Batteryを確認します。 通常は90〜100まで回復していますが、深酒をした翌日や睡眠の質が悪いと70からスタートすることもあります。 そんな日は今日は持ち点が少ないから、残業せずに早く帰ろうと、朝の時点で戦略を立てられます。
2. 昼のチェック:異常な減り方をしていないか?
昼休憩の時に残量を見ます。 午前中だけで30も40も減っている場合は、無意識に無理をしている証拠。午後は意識的に深呼吸をしたり、少し散歩をして青領域の時間を作るようにします。
3. 夜のチェック:残量は残っているか?
帰宅後、バッテリーが10程度しか残っていなければ、無理な運動は控えてすぐにお風呂に入って寝ます。 逆に30ほど残っていれば、ウォーキングや掃除の時間に充てます。
自分の感覚ではなく数値で行動を決めることで、燃え尽き症候群やオーバートレーニングを防ぐことができます。
【番外編】睡眠用と日中用、2台を使い分けるGarminエコシステム

実はGarminの機能を最大限に活かすために、シーンによって2つの機種を使い分けています。
- 日中(活動時):fēnix 7 Pro
理由:堅牢性が高く、高級感がいい。日中の行動は最新の光学式心拍センサーで計測したいため。 - 夜間(就寝時):vivoactive 6
軽くて薄いから。 寝ている時は少しでも装着感を無くしたいので、軽量モデルに付け替えています。
Garminには複数のデバイス間でデータを統合する機能(Physio TrueUpなど)があり、基本的には付け替えてもデータが引き継がれます。ただし、Body Batteryは完全に同期されないケースも公式に記載されているため、必ずシームレスとは限りません。使用前に自分の機種で挙動を確認することをお勧めします。
高性能モデルを使いたいけど、寝る時は邪魔になる…という方には、この日中はフラグシップ、寝る時は軽量モデルという2台持ちが最適解かもしれません。
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Body Batteryを使うときの“限界”と上手な付き合い方
Body Batteryやストレスレベルはとても便利ですが、あくまで推定アルゴリズムに基づく指標です。
体調、環境、飲酒、カフェイン、メンタル状態、装着具合など、さまざまな要因で誤差が生じます。
大切なのは、数値そのものを信じ切るよりも数値の変化から自分の傾向を読み取るという姿勢です。
こうした前提を理解したうえで使えば、Garminは自分のコンディション管理にとって強力なパートナーになります。
ひとこと

ストレスをゼロにして生活することは難しいですが、「今、どれくらいダメージを受けているか」「あとどれくらい体力が残っているか」を知ることは可能です。
GarminのBody Batteryは、自分というキャラクターを上手に操作するためのステータス画面のようなもの。
数値が見えることで、今は休むべきだという判断に自信が持てるようになります。
ただの歩数計や通知マシンとしてではなく、自分をマネジメントするパートナーとしてスマートウォッチを選びたいなら、Garminは最適な選択肢になるはずです。
ここまで理解したうえでGarminを使うと、日々の行動や判断が驚くほど楽になります。
【参考サイト・引用元】
・ガーミン 公式サイト:https://www.garmin.co.jp/
・ガーミン公式サイト(US):https://www.garmin.com/en-US/
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