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GarminのMIPとAMOLEDはどっちが正解?画質ではなく視線のコストで選ぶディスプレイ論【比較編】

Garmin fēnix 8のAMOLEDとMIPの画面を比較した画像(スマブロ.com)

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Garminのスマートウォッチを見ていると、同じシリーズでもMIP(Memory-in-Pixel)とAMOLEDの2種類が用意されていることがあります。

結論から言うと、この2つは“性能の上下”ではなく、思想が違うディスプレイです。

筆者はアウトドアではMIP、屋内や睡眠時はAMOLEDという形で、両方を使い分けています。

普段使っているデバイスでMIPとAMOLEDの画面の比較画像もUPしておきました。

この記事ではその実感も踏まえて、「視線のコスト」という切り口で選び方を整理しました。

▼この記事でわかること

  • MIPとAMOLEDの違い(仕組みと得意な場面)
  • 後悔しやすいポイント(常時表示・充電・屋外視認性)
  • あなたに合う選び方(視線のコストで判断)

先に結論だけ言うと、屋外での「確認」中心ならMIP、屋内での「読む」中心ならAMOLED が後悔しにくいです。

目次

そもそもMIPとAMOLEDって何が違うの?

What’s the difference between MIP and AMOLED?

まずは、MIPとAMOLEDの違いをざっくり押さえます。ここを理解しておくと、その後の話がスッと入ります。

MIPは「光を味方につける」ディスプレイ

MIPの最大の特徴は、その名の通り「光を反射して表示する」仕組みにあります。

対照的なのがAMOLEDです。 最近のAMOLED(fēnix 8など)は輝度が向上し、屋外でも十分見えますが、それは発光量(輝度)を上げて、強い外光の中でも見えるようにしている状態です。

一方でMIPは、 太陽光をそのまま反射して利用するため、光が強ければ強いほど鮮明になります。 サングラス越しでも、手首の角度が適当でも、情報が目に飛び込んでくる。この見る努力がいらない感覚こそが、MIP最大の強みです。

Garmin公式では、MIPのChromaディスプレイは一般的なLCDよりもバッテリーを長持ちさせる設計として説明されています。「Chromaディスプレイ」と呼ぶのは、外光を活かして屋外で見やすく、省電力なMIP技術を採用した反射型カラー液晶のことです。

ちなみにMIP液晶はGarminだけではなく、G-SHOCKにも採用されています。スポーツ用途の腕時計で実績があるのは、屋外でパッと確認できることが価値になるからです。

AMOLEDは「自分で光る」ディスプレイ

AMOLEDはディスプレイそのものが発光します。

暗い場所でも見やすく、色が鮮やかで、地図やグラフ、通知の視認性が高いのが特徴です。

ただし、Garminの公式マニュアル(fēnix 8シリーズ)では、AMOLEDは焼き付きが起こりやすい特性があり、高輝度の静止画を長時間表示しないよう注意が記載されています。

つまりGarmin自身も、AMOLEDは美しさと引き換えに“運用のマネジメント”が必要なことを前提にしています。

Garminが両方を出し続ける理由は用途が違う

GarminがAMOLEDに一本化せず、MIPも残し続けているのは理由があります。

それは、アウトドアやスポーツの現場では見え方や運用のラクさが性能以上に重要だからです。

現に、アウトドア向けのInstinctシリーズでも、MIPが採用されるモデルがあります。

どちらが優れているかではなく、あなたの生活に合うのはどっちかを選ぶのが正解です。

Garmin-Instinct3-AMOLED-and-SOLAR Garmin Instinct 3とInstinct 2 / 2Xの違い!スペック・機能比較

視線のコストで考える選択方法

ここで言う「視線のコスト」とは、スマートウォッチを見るたびに支払っている脳の処理コストのことです。

MIPは、視界に入れた瞬間に情報が入ってくる「見る(Seeing)」デバイスです。

対してAMOLEDは、高精細な情報を意識的に「読む(Reading)」デバイスです。

コンマ数秒の違いですが、読むには脳のスイッチを入れる必要があります。

ランニング中にペースを見るとき、読み取る必要があるか、見るだけで済むかでストレスが変わります。

この小さな切り替えが積み重なると、スポーツ中や疲れているときは意外と負担になります(筆者もここで差を感じました)。

たとえば、こんな違和感はありませんか?

  • 日中の屋外で画面が見づらく、角度を変えて何度も見てしまう
  • 夜に通知が眩しくて、逆に集中が削がれる
  • 走っている最中に情報が読み取りづらくてストレスになる
  • 充電や設定調整が面倒で、いつの間にか使わなくなる

こういう“細かい違和感”が積み重なると、スマートウォッチは続きません。だからこそディスプレイは、画質ではなく視線のコストで選ぶと後悔しにくくなります。

視線のコストは、4つで決まる

  • 視認性:一発で見えるか、見えないか
  • 読みやすさ:読む必要があるか、確認だけで済むか
  • 運用負担:常時表示や明るさ設定など、管理が必要かどうか
  • 生活との相性:充電頻度や使う時間帯が合うかどうか

MIPとAMOLEDは、この4つに直結します。

結論:MIPとAMOLEDの向き・不向き

MIPとAMOLEDのどっちがいいか?迷う方のために、それぞれ向いている人は下記の通りです。

MIPが向いている人

  • 屋外で使う時間が長い
  • 走りながら・登りながらパッと確認したい
  • 常時表示が前提(腕時計っぽく使いたいです)
  • 充電回数をできるだけ減らしたい
  • 画面のきれいさより、安定性が大事

AMOLEDが向いている人

  • 室内や夜に使う比率が高い
  • 地図や通知を“読む”ことが多い
  • グラフやUIの見やすさがモチベーションに
  • 画面の美しさを日常の満足感にしたい
  • 常時表示は必須ではありません(ジェスチャー点灯でもOKです)

迷ったら常時表示の考え方で決める

常時表示(AOD:Always-On Display)にしようか迷う人の多くは期待が違います。

  • 腕時計みたいに常に時間が見えてほしい → MIP向き
  • 表示がきれいでテンションが上がるほうがいい → AMOLED向き

ここでいう常時表示は、AMOLEDディスプレイで“設定として常時表示にする機能”を指します。

一方で、MIPモデルは反射型のため、常時表示という項目がなくても“常に表示されている”のが基本です。

つまり、常時表示ができる・できないではなく、AMOLEDは“設定で常時表示にする”、MIPは“設計として常に見える”という違いだと理解すると分かりやすいです。

fēnix 8(MIP)とfēnix 7 ProなどのMIPモデルでは、常時表示(AOD)というより暗所はバックライトで照らすという考え方が共通です。LIGHTキーで点灯・消灯でき、点灯時間(タイムアウト)なども設定で調整できます。

AMOLEDのAODとは仕組みが違うので、ここを混同しないのがポイントです。

※機種やソフトウェア更新によってメニュー名が異なる場合があります。

MIPの強みは見るための努力がいらない

MIPの良さは派手さではありません。むしろ、邪魔をしないことが強みです。

日中の屋外で角度を探さずに確認できるのは、視線のコストを下げる大きな要素です。

スポーツ中に見る情報は、基本的に読むより確認が多いと思います。

  • ペース
  • 心拍
  • 距離
  • 高度

このような情報が“見えればOK”なら、MIPはとても合理的です。

バッテリーは充電頻度を変えます

MIPの強みは、電池が持つことだけではありません。生活の中で充電という行為を減らせることが価値です。

スマートウォッチが続かない理由の1つは充電です。

充電回数が減るだけで、継続率はおのずと上がります。

MIPの弱点は体験が薄く見えること

MIPには、当然ながら弱点もあります。

室内や夜はバックライト頼みになりやすい

暗い場所では、発光するAMOLEDほどの気持ちよさは出にくい。見えるけど、きれいではないと感じやすいポイントです。

MIPの弱点は体験が薄く見えること

MIPには、当然ながら弱点もあります。

室内や夜はバックライト頼みになりやすい 暗い場所では、発光するAMOLEDほどの気持ちよさは出にくい。見えるけど、きれいではないと感じやすいポイントです。

スペック表よりも「視界に入ったときの印象」の差が大きいので、同条件で撮影した比較写真も載せておきます。

Garmin fēnix 7 Pro と Apple Watch Series 10 を腕に着けて画面を比較した写真(撮影:おかきソムリエ / スマブロ.com)

▲MIPとAMOLEDの見え方の違い

左:Garmin fēnix 7Pro(MIP / バックライト点灯)
右:Apple Watch Series 10(AMOLED / 参考比較)

※AMOLEDは黒が深くクッキリ光る一方、MIPは落ち着いた表示になります。

地図・グラフの“気持ちよさ”はAMOLEDが上

細い線や小さい文字が多い画面は、AMOLEDのほうが得意。地図を頻繁に見る人ほど、ここが差になります。

デザイン性を求める人には物足りない場合もあります

見た目の満足感は人によって大きく違います。画面が好きになれないと、触る回数が減ってしまうことがあります。

AMOLEDの強みは読むのが速いこと

AMOLEDの良さは「きれい」だけではありません。情報が読みやすく、理解が速いです。

夜・室内で視認性が安定します

暗い場所での視認性はAMOLEDの大きな強みです。夜間の通知や屋内でのトレーニング画面が見やすくなります。

地図・通知・グラフが情報として読みやすい

読む必要のある情報は、AMOLEDのほうが強いです。

  • 地図の分岐
  • 等高線
  • 通知の文章
  • トレーニングのグラフ

この読み取りの速さは、視線のコストを下げます。

“見るたびに気持ちいい”がモチベーションになります

スマートウォッチは毎日触るものです。だから気持ちよさが継続に効きます。

はっきりと映し出された画面で楽しみながら分析するのも醍醐味です。

AMOLEDの注意点

AMOLEDには、見落とされがちなコストがあります。それは、運用の管理です。

焼き付きは起こり得ます

多くのAMOLED製品では焼き付き対策(表示の微移動など)が行われますが、それでも運用次第でリスクがゼロになるわけではありません。

画面を守るために表示を消す設定にするのか、道具として使い倒すのか。この“気遣いの有無”も、隠れたコストの一つと言えます。

常時表示をどう運用するかが分かれ目

常時表示を常用する場合は、焼き付きリスクも電池消費も上がります。逆に、ジェスチャー点灯で運用できるなら、AMOLEDの弱点はかなり減ります。

充電中の点灯が盲点になりやすい

意外と盲点なのが充電中に静止画面が表示され続けることです。置きっぱなし運用をする人は、画面が消える設定を確認した方が安心です。

焼き付き回避の基本セットは3つ

  • 明るさを上げすぎません
  • 黒基調の文字盤・固定表示が少ない表示を選びます
  • 点灯時間を短めにします(常時表示常用は慎重にします)

解像度の違いで情報密度が変わります

解像度は、画面のきめ細かさを示す数値です。縦×横のピクセル数で表され、数値が大きいほど文字や線が滑らかに見えます。

同じ画面サイズでも、解像度が高いほど細かい表示ができます。

つまり、単にきれいではなく、情報の密度が上がるということです。

fēnix 8を例にした解像度の違い

Garminのfēnix 8を例にすると、同じ1.4インチの画面でもAMOLEDは 454×454、Dual Power(MIP)は 260×260 です。

同じ画面サイズでも、AMOLEDのほうが細かい情報を載せられます。

ここで見せたいのはAMOLEDが上という話ではなく、AMOLEDは読むのが得意で、MIPは確認が得意という思想の違いです。

解像度の高さは「地図」と「通知」で活躍

  • 地図は細い線が増えるほど、解像度の差が出やすいです
  • 通知は文字が小さいほど、解像度の差が出やすいです

この2つを日常でどれくらい見るかで、満足度は変わります。

Apple Watchとの比較(補足)

解像度の感覚をつかむために、身近なApple Watchとも比べてみます。

Apple Watch Series 10/11(46mm)は 416×496ピクセル、fēnix 8(AMOLED)は 454×454ピクセル です。

数字だけ見ると同等クラスの情報密度があり、Garminでも地図や通知が「読める」方向に進化していることが分かります。

ただしApple Watchは四角、Garminは丸なので、表示できる形やUIは異なります。解像度はあくまで目安として捉えるのが安全です。

なお、fēnix 8とfēnix 7 Pro / 7のスペックや価格、進化ポイントの比較は別記事で詳しくまとめています。

Garmin-fēnix-8とfēnix7Proの正面比較画像 Garmin fēnix 8 と fēnix 7 Pro どっちを選ぶ?用途・画面・バッテリーの違い【比較検証編】

後悔するポイントとは?

買ったあとに後悔するのは、スペックではなく“運用のズレ”です。

後悔パターン1:日常で常時表示を期待しすぎました

常に時間が見えることを期待していたのに、AMOLEDの常時表示運用が合わないと後悔します。常時表示が必須な人は、MIP寄りで考えたほうが安定します。

後悔パターン2:地図・通知を思ったより見ませんでした

AMOLEDの強みを活かすには読む場面が必要です。通知も地図もほぼ見ないなら、MIPのほうが満足することもあります。

後悔パターン3:充電頻度が生活に合いませんでした

充電の手間をどう感じるかは軽視されがちです。面倒に感じる人ほど、MIPの価値が大きくなります。

後悔パターン4:屋外での視認性を甘く見ました

屋外中心の人がAMOLEDを選ぶと、見えるけど見にくいが積み重なることがあります。このストレスは、実際に使ってみてから気づきやすいです。

Micro LEDは次期モデル(fēnix 9)に標準搭載か?

「AMOLEDの美しさも、MIPの省電力も両方欲しい…」 そんな欲張りな願いは、次期モデル「fēnix 9」で叶うかもしれません。

最新の技術トレンド(MicroLEDや透過型ソーラー)から予想される、未来のGarminの姿を予想してみました。

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まとめ:MIPとAMOLEDは利用場所で選ぶべき

最後に、究極の選び方を提案します。

MIPは「空気のような道具」であり、AMOLEDは「美しい相棒」です。

あなたがスマートウォッチに求めるのは、存在を忘れるほどの自然さ(MIP)ですか?

それとも、ふと目をやった瞬間の高揚感(AMOLED)ですか?

「視線のコスト」を払ってでも得たい体験があるか。

それを自問すれば、スペック表を見比べるよりもずっと早く、あなたにとっての正解が見つかるはずです。

おまけ(参考写真:筆者のデバイス画面の比較)

筆者はアウトドアではMIP(fēnix 7 Pro)、屋内や睡眠時はAMOLED(vívoactive 6)という形なので、参考までに比較画像を載せておきました。

左がfēnix 7 Pro(MIP)、右がvívoactive 6(AMOLED)のHRV表示画面の比較写真(撮影:おかきソムリエ / スマブロ.com )
筆者撮影(昼間の窓際・屋内)。左:fēnix 7 Pro(MIP)、右:vívoactive 6(AMOLED)。

屋外ではなく窓際の屋内でも、AMOLEDは読み取りが速く、MIPは反射や角度の影響を受けやすいことが分かります。

比較写真が参考になれば幸いです。

そのディスプレイは、あなたが「見る」道具ですか?それとも「読む」道具ですか?

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