Apple・Google/Fitbit・ Garminの比較記事

Apple Watchでストレスや疲労度の目安を知ろう|心拍変動(HRV) 編

Apple Watch Stress-Indicators

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Apple Watchの純正アプリにストレススコアの表示はありませんが、

マインドフルネス機能や心の状態を記録、分析する機能は有しています。

あくまでも一つの目安となりますが心拍変動(HRV)の数値はストレスや疲労度の気づきになります。

後述する本人専用の目安表は筆者の計測データと主観に基づいていますのであらかじめご理解下さい。

生活習慣を振り返る機会にしてみて下さい。

Apple Watch マインドフルネス機能を体感!リフレクトと呼吸の使い方 編

心拍変動(HRV)について

アップルウォッチで心拍の変化を確認する様子(イメージ画像)

心拍変動(HRV:Heart Rate Variability)とは「心拍のゆらぎ」を意味します。

つまり、鼓動間隔(RRI:R-R Interval)の変化です。

心臓の鼓動間隔は状態によって、長くなったり短くなったりして常に一定ではありません。

この心拍変動の可変時間を捉え、Apple独自のアルゴリズムから検知していると考えられます。

心拍変動(HRV):心拍数のゆらぎをイメージした説明図(本人作成)
心拍数
(HR)
心臓の拍動数
心拍変動
(HRV)
心拍のゆらぎ

●参考:Apple Watch で心拍数を測定する

ヘルスケアApp(心拍変動)の見方

アップルのヘルスケアAppで心拍変動をチェックする様子(イメージ画像)

心拍変動はiPhoneのアプリ『 ヘルスケア 』内で確認できます。

ヘルスケアAppを立ち上げて「 ブラウズ(右下)→ 心臓 → 心拍変動 」で下記の画面が表示されます。

Apple Watchで計測した心拍変動の1ヶ月間の推移(本人データ:おかきソムリエ)スクリーンショット
本人データ

上記画面では心拍変動値が 平均 30ミリ秒で推移していることがわかります。

年齢や性別などで個人差があるため数値の良し悪しは一概に判断できませんが、私の場合、調子が良い時は平均 40msを超えていることが多いです。(あくまでも筆者の感覚です。)

心拍変動の正常値については個人差があるため、自身の計測結果の平均値を参考にすると良いかと思います。

医療目的としての利用はおすすめできないため、気になる方は専門医などにご相談下さい。

※HRVによるストレスチェックは、あくまでも参考程度として考えて下さい。

【Apple Watch】心電図アプリ(ECG)でわかること| 使い方と感想 編

心拍変動と体のサイン

心拍変動( HRV )の変化から「からだのサイン」を知ることができる魅力があります。

一般的な目安としては、普段の平均値より低ければ疲労気味であり、高ければ回復傾向にあると判断できるようです。

  • HRVが高い
    良好、疲労の回復傾向
    ・体力が十分な状態
    ・睡眠がしっかり取れている
    ・気分転換ができている
  • HRVが低い
    不調、疲労度が高い兆候
    ・体が疲れている?
    ・睡眠不足が考えられる?
    ・ストレスが高い可能性がある?

※HRVは自律神経や呼吸はじめ、様々な外的要因も含めて変動するため状況によって変わる場合があります。

心拍変動判断基準(本人の正常値目安)

スマートフォンでストレスチェック機能を確かめる様子(イメージ画像)

心拍変動の正常値(適正値)については気になるので、色々な参考文献や論文等を調べてみました。

結論としては、やはり個人差があるので共通の答えは見つからず…。

よって、筆者の主観と心拍変動(HRV)の測定値を鑑みて本人専用の目安表を作ってみました。

目安表(本人専用)

HRV値目安
50ms 以上かなり良好
40〜49ms良好
30〜39ms普通
20〜29ms不調
19ms  以下かなり不調
※本人の主観と計測結果(SDNNを基準)により作成

心拍変動の目安基準

心拍変動の基準は『40ミリ秒(40 ms)』を目標にセルフケアを心がけています。

マインドフルネス機能や心の状態の記録も利用しながら、数値を高めるための取り組みを実践中です。

心拍変動の平均値は年齢と共に低くなる傾向があるようです。よって、適正範囲を見つけ出すためにも、ある程度の期間は測定を続けてデータを収集する必要があります。

ぜひ、自分のデータで目安表を作ってみて下さい。

Apple Watchは SDNNで測定

AppleWatch8の心電図測定画面(イメージ画像)

Apple Watchでは、心拍センサーで鼓動間隔の『標準偏差』によって心拍変動を計算しているとあります。

鼓動間隔の標準偏差は、専門的に「SDNN(Standard Deviation of the NN intervals)」と呼ばれており、

『交感神経および副交感神経の両方を含む自律神経系全体の活動状態を表す指標』* を指します。

Estimation of Stress During Car Race with Factor Analysis東京大学 論文より

SDNNとRMSSDの違い

SDNNSDNN は交感神経および副交感神経の両方を含む自律神経系全体の活動状態を表す指標
(RR間隔の標準偏差)
RMSSDRMSSD は副交感神経系の活動状態を表す指標
(隣接するRR間隔の差の二乗平均平方根)
参考文献:Estimation of Stress During Car Race with Factor Analysis(The University of Tokyo)

Google(Fitbit)や Garmin のスマートウォッチでも心拍変動(HRV)を計測していますが、SDNN ではなく RMSSD(root mean square of successive differences)で算出されているので違った目安になります。

心拍変動の数値を生理学的指標として利用する際は、SDNNとRMSSDについてもご理解の上、参考にして頂く方が良いかと思います。

SDNNによる算出数値だけでストレス状態を正確に判断することは難しく、自身の感覚や体調の傾向や兆候などを総合的にみて判断することが必要です。

詳しく知りたい方は専門家やかかりつけ医などにご相談下さい。

ストレスに気づくことが大切

ストレスが原因で突発性難聴になった経験がある私にとって、ストレスへの気づきは非常に有り難いです。

普段、「イライラすることが多い」「寝ても気分がスッキリしない」といった方は、

Apple Watchの心拍変動(HRV)の値を参考に生活習慣を振り返ってみる機会にしてみて下さい。

心拍変動の個人基準値(正常値の目安)で、ストレスに早く気づくことで回避や対処の可能性が高くなると思います。

これからもライフスタイルを見直す機会の一つとしてApple Watchを利用したいと思います。

マインドフルネス機能も上手に活用してみて下さい。

Apple Watch Mindfulness-App Apple Watch マインドフルネス機能を体感!リフレクトと呼吸の使い方 編

▼参考サイト

・Fitbit 公式サイト https://www.fitbit.com/global/jp/home

・Garmin 公式サイト https://www.garmin.co.jp/

・Apple 公式サイト https://www.apple.com/jp/watch/

▼参考文献

・栄養科学イラストレイテッド運動生理学 麻美直美・川中健太郎(編) 羊土社
・第6版 補訂 基礎運動学 中村隆一・齋藤宏・長崎宏(著)医歯薬出版株式会社
・図解 眠れなくなるほど面白いストレスの話 ゆうきゆう(監修)日本文芸社

・ウェアラブル端末により検知した心拍変動に基づくストレス推定 鈴木伊織、佐藤文明(情報処理学会研究報告2020)

・心拍変動を利用した日常生活下のストレス値測定手法の検証 久保優希・小倉加奈代(情報処理学会インタラクション2021)
・呼吸法はなぜ健康によいのか? : 心拍変動バイオフィードバック法からみた自律神経メカニズムと心理学的効果 東海学園大学 学術情報リポジトリ 榊原雅人
・バイオフィードバックによる心理的指標への影響の概観と展望 東京大学 修士課程1年 下田茉莉子、修士課程1年 松本珠実、准教授 滝沢龍

※心拍変動の値が気になる場合は、かかりつけ医などにご相談下さい。
※写真やイラストはイメージです。